これまでもいくつかタイプの異なるトートバッグを作ってきましたが、この秋冬シーズンのニューモデル「LUCAS(ルカ)」は、機能性に重点を置いて企画を進めてきました。デザインに関しては、これまで試行錯誤してきたこともあり、「HMAEN」らしい理想的な形を出せていると感じています。そして、機能に手を加えるとすれば、“より丈夫”で“より軽く”というのがテーマでした。
そのためにこだわったのは金具を極力使わないこと。実際、ファスナー以外は使っていません。
それは単純に鞄を軽くするためですが、金具を使わなければ耐久性に影響が出てきます。その耐久性を向上させるために、この鞄では手縫いを多用しました。手縫いであれば太い糸でもしっかりと縫い付けられますし、ひと針ひと針確認しながら進められるので、品質も確保できます。また、鞄の底にはヌメ革をあてました。強度を上げるだけでなく、置いた時の型くずれを抑えています。
鞄のデザインを始めてから40型ほどのトートバッグを作ってきました。今でこそ男性が革のトートバッグを持つことが一般的になってきましたが、作り始めた頃は、肩がけにするとスーツのラペルの形が崩れる、なんて意見も当時はありました(笑)。でも、使ってみると便利であるに違いなく、「ルカ」もビジネスからカジュアルまで幅広いシーンで使えるバッグです。