“HMAEN” らしいカタチのブリーフ・バッグ Polte

　荷物を持ち運ぶという意味から名付けたブリーフ・バッグ「ポルテ」。メンズバッグのスタンダードはブリーフだと考えています。ですので、今シーズンどうしても見直したかったバッグのひとつです。

　昔のように重いノートパソコンを持ち歩く人は減っていると思いますが、この数年でも携行品の量やサイズが変わってきています。そうした変化を考慮しながら、パソコンや雑誌、新聞が入るサイズで、スーツでもカジュアルでも気軽に持てるブリーフ・バッグを改めて考えました。

　ポイントは袋っぽさです。鞄の縁をかたどるパイピングなどを敢えてやめることで、丸みを帯び、カジュアルな雰囲気を出しました。型崩れしないように鞄を包むようにヌメ革の帯を通しています。また、機能性を考え、この鞄の大きな特徴でもある“耳”を付けました。耳を付けることで、開口部を鞄の幅いっぱいに取ることでき、出し入れがしやすくなっています。ファスナーの開閉時やカバンの中に手をいれる時、この耳をつまむと便利です。今は女性もブリーフ・バッグを持たれるので、軽さも意識しました。

　今回のブリーフ・バッグの原型には、鞄づくりを始めたばかりの頃（2013年）、試行錯誤の末に総手縫いで作り出したものがあります。そして３年を経て、ようやく「HMAEN」らしいカタチが出せました。