レザーブランドが探究した機能美 Allegro

2018.2.17

高い機能性とタフな佇まいで、大人のビジネスシーンをサポートする2WAYバッグ。
デザイナー大友が語る、Allegro(アレグロ)の魅力。

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——当初は3WAYで考えていたというこのバッグですが、ワンショルダーのストラップはなくなったんですね。

作っているうちに「いらないよね(笑)」ってなったんです。要素としてはいろんなものを盛り込みたいと思っていたのですが、いまはビジネスシーンでリュックを背負うことに抵抗はないはずだし、無駄はなるべく排除してシンプルな顔つきにしたかったので。

——形だけでいうと「Allegro」は、過去作の「Principal」に準ずるものになると思うのですが、今回は革ではなくナイロンを採用しています。その意図は?

実はこのバッグのコンセプトは、「NIKEのナイロンスニーカーのようなバッグが作れないかな」と思ったのが始まりだったんです。結局あそこまでやってしまうと、バッグだと少しチープな感じになってしまって、必要な機能も盛り込めなかったんですけどね(笑)。だけど出発点がそこだったから、ナイロンならではの質感やシワを魅力的に見せようと思えた。実は僕は、大手のメゾンなんかが作る、シワのないぴっちりしたナイロンブリーフが大嫌いなんですよ(笑)。どうせこの素材でやるなら、シルエットにも少し余裕があって、光沢のグラデーションが美しく見えるようなものを作りたい。だからサイズも「Principal」に比べると、ひとまわり大きくなっているんですよ。

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——機能性の高い商品になったと感じている?

ビジネスマンのための機能美を追求してみました。バッグを3層構造にしたのもそれが理由で、みんな、書類・パソコン・Yシャツくらいは別々に収納したいと思うんですよね。でも市場を見回してみると、こういったニーズに対応して、ビジネスシーンに持ち出せるクオリティを備えたバッグが非常に少なかった。だったら、自分が欲しいと思えるような2WAYバッグを一度しっかり作り込んでみようと思いました。

——この商品で一番悩んだ箇所はどこですか?

リュックストラップの収納部分ですね。HMAENはレザーブランドだから、やっぱりこういう所に革を使いたいと思ったし、その上でストラップが綺麗に収納できて、ブリーフ使いの時に全く目立たなくなるギミックが欲しかった。結果としてこの部分は縫製がすごく面倒なことになってしまいましたが(笑)

——こうしたバッグは無駄な装飾がないぶん、機能とカタチが本当にマッチしていないと、どこか不恰好なものになりがちです。そのあたりに苦労は?

ブリーフ時とリュック時では縦横が入れ替わるので、シルエットの比率や、ポケットの配置の仕方なども、常に二つの視点を同居させていなければいけないんですよ。でもそれはすごく楽しい作業でした。

——通常のビジネス使いはもちろん、出張などでも活躍しそうですね。

それなりに容量があるので、ちょっとした遠出なら問題ないと思います。完全にビジネスシーンを意識して作りましたが、リュックとして使えるので意外とプライベートでも使ってもらえるかもしれないですしね。最近は女の子がメンズバッグを平気で持つ時代だし、僕も想像がつかないような使い方があるかもしれない。そういう意味では、ユーザーの反応がすごく楽しみな商品ですね。

Allegro

Material: Nylon / AEN Leather(Shrink Lether)
Size: W33 / H41.5 / D16 (cm)
Weight: 860g