スポーツルックに合わせるレザーバッグの探求 Rugby

2018.4.16

重厚でクラシカルなスタイリングにこそハマるレザーバッグ。そんな革鞄のイメージを覆そうと生み出されたボディバッグ「Rugby」の魅力について、デザイナー大友が語った。

rugby

——「Rugby」のカタチはどういったイメージで生まれたのですか?

キャンディーバッグっていう、昔のバッグのカタチを参考にしているんです。ボディバッグはどうしてもノッペリしがちなのが嫌で、立体的な膨らみをもたせるために、両端を絞って持ち上げるキャンディーバッグを真似てみたんですよ。実際に作ってみると、その絞りの部分を革で再現するのはとても大変だったんですけどね(笑)。

 

——体の側面に添わせるのではなく、わりとしっかり背中で担ぐイメージのバッグなので、過去作の「Zeppelin」などとは異なる立体感になっていますね。

ええ。絞りの部分から、縦にも横にも美しい丸みを出すというコンセプトなんです。でも立体で丸いから、細かなヨレをいちいち直しながら縫わないと綺麗な膨らみが出ない。最初はこんなに難しいモデルになるとは思っていなかったのですが、途中からみんなそのヤバさに気づき始めて、試作段階では僕も含めたスタッフ全員が「こんなに辛い作業になるのか……」と頭を抱えていましたね(笑)。

 

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——「Rugby」はどういった用途を想定したバッグなのですか?

最初にイメージしたのは、自転車に乗る人だった。あとは夏とか、ポケットには荷物が入りきらないけど、カバンを持ちたくないっていう人もいるじゃないですか。そういう人にはこのバッグが便利だと思うんですよ。体に触れる部分にはパットが入っているので安定感がありますし、体に密着させるためにグッと絞って使ってもらっても問題ない作りになっている。

——バックルで簡単に着脱もできますよね。

そうですね。いちいち頭と肩を通して背負うのは面倒だと思ったので、簡単に着脱ができるバックルを採用したんです。これも機能性を求めた結果だったのですが、革だとスライダーがスムースに通らないので、テープを使わざるを得なかった。でもこのテープは斜め掛けした時にとても目立つ位置にくるから、安っぽくならないように工夫する必要があったんですよ。最終的には革のアジャスターをつけて全体が引き締まるようにデザインしたのですが、意外とここが「Rugby」のアイコン的なパーツになっている。

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——両サイドにファスナーがついているので、とにかく便利に使えそうですね。

2層式にして、右肩に背負う人も、左肩に背負う人も同じように使えるバッグにしたかった。これならバッグの上下を気にする必要もないので、僕みたいにいい加減な人間でも、細かいことを気にすることなく使ってもらえると思います(笑)。

——ここまで3D感にこだわったモデルは過去に存在しなかったように思います。HMAENにとって、新しい挑戦という意味合いもありますか?

そうですね。ずっと以前から、スポーツルックにも違和感なくフィットするレザーバッグを作ってみたいと考えていたんです。例えば、North Faceのナイロンジャケットにも合うレザーバッグってどんなものだろうかと……。今回の「Rugby」は、その回答の一つになったんじゃないでしょうか。コンパクトだけど立体的なボリュームがあって、良い意味で革の重みを感じさせない。ライトで使いやすいバッグに仕上がったと思うので、いろんな使い方を試してもらいたいですね。

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