ファンの要望が生んだレディースライン Kaede S

2018.4.10

2WAYショルダーとして人気を博した「Kaede」が、今季レディースバッグとして新登場。
レディース商品も充実し始めたHMAENの新しい挑戦について、デザイナー大友にきいた。

KaedeS

——「Kaede S」は、過去作「Kaede」のいわゆるスモールサイズになるのでしょうか?

そうですね。「Kaede」をそのままA4サイズに縮小して、以前よりマチをしっかりとることで、女性らしいシルエットを目指したんですよ。本当はもう少し小さくしてもよかったのかもしれませんが、OLさんにも使ってもらえるように、書類サイズの大きさは確保しました。

——バッグとしての作りは「Kaede」と同じ?

ええ。ただ、案の定サイズを変更したら、デザインからパターンまで全てを変更することになってしまいましたけどね(笑)。もうわかっていたことなんですが、前のモデルから流用できるところなんて、小さなパーツくらいしかないんですよ。

——縮尺を変えれば、簡単にスモールサイズが出来上がるわけではない?

単純に小さくするという意識でやってみると、必ずどこかに小さな不備が出てくるんです。それを解消するためにひとつ何かを変えると、それが影響して全部を変えることになる。正直、大きくするよりも小さくする方がずっと難しいんですよね。

KaedeS

——今回、「Kaede」をレディースサイズでラインナップに加えようと思った理由は?

お客様からの要望がとても多かったためです。女の人はやっぱりこういう形が好きみたい。見た目の柔らかさもあるし、2WAYなので、使ってみるととても便利なバッグですからね。

——今シーズン、無骨で男性的なバッグもリリースしている中で、2シーズン続けてレディースバッグを作るのは大変だったのでは?

予想していなかったわけではないけれど、昨シーズンのレディースラインはかなり多くの人に受け入れてもらうことができたと思うんです。実際にお客様からたくさんの反響を頂きましたし、妥協せずにちゃんと革カバンを作っていれば、男女問わずきちんと商品を評価してくれることが確認できたのはよい経験だった。だからこそ単発で終わらないで、レディースを作り続けていくことが大事だと思えたんですよ。

——以前に比べて、気負いなくレディースに取り組めるようになってきたということですか?

そうですね。ブランドの芯が固まってきたから、女性ものに取り組むことにも妙なプレッシャーを感じなくってきたと思います。この「Kaede S」も、女性らしさを意識しすぎて味気ない顔つきにならないように、今シーズンの他のバッグにも見られるような補強のあしらいを採用しているんです。そのあたりはメンズ・レディースを意識しすぎることなく、上手くバランスを取りながらデザインできるようになってきたんじゃないですかね。