誤魔化しが効かないミニポーチ Q

2017.9.19

街を歩いていて、たまたま目にした女の子をヒントに制作したのが、このQ(キュー)というモデル。ほとんど物が入らない、マチのないポーチに紐を通して斜めがけにしていたのが、すごく可愛く思えたのです。

そこで、自分もオールレザーで似たようなものを作ってみたのですが、これが出来上がってみると女性スタッフからすごく不評だった。「何も入らないじゃん!」って、散々文句を言われてしまって……(笑)。

「その、何も入らない感じが可愛いんじゃないの?」という思いもありましたが、それなら、当初のコンセプトであるフォルムをなるべくキープするようにして、長財布・携帯・化粧ポーチがぴったり収まるくらいの容量まで、そのプロトタイプを太らせてみようかと。

そこからは試行錯誤の連続でした。難しかったのは縦横の比率。コロンとして丸っこく、コンパクトな印象を保つために、ミリ単位の調整を何度も繰り返しながら、最終的なフォルムを決定していきました。

結果的には初代のPostmanを思い出させるような、いかにもHMAENらしいシルエットに仕上がったかと思いますが、これだけ小さいバッグになってくると、実は縫製がすごく難しい。サイズの大きなバッグと異なり、革に僅かな誤差を調整するような余裕がないので、パーツの大きさや糸を通す位置がピタリと合わないと本当に綺麗な形が出せないのです。

ある意味、HAMENのラインナップの中で最も腕が試されるバッグとも言えるこのQ。ぜひ皆さんも手にとって、その小さなボディに凝縮された技術を感じてもらえたらと思います。

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(2017Ladies Topics)

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