カテゴリーからの脱却、本当に必要なカタチへ Spring Summer / 2018

2018.2.13

いよいよ5年目のシーズンに突入したHMAEN。
デザイナー大友が語る、2018SSの新作コンセプトとは?


——2018 SS全体として意識した部分は?

一言で言うと「全てにおいて逃げないこと」ですかね。HMAENはこれまで、低品質で安価なだけのものづくりや、飽和しきったバッグ市場にはいっさい目を向けずに仕事を続けてきましたが、ここらで一度「バッグ業界が急速にカジュアル化していく現状」と向き合ってみたかったんです。そうすることで、世の中の人たちが本当に欲している鞄のカタチが見えるのではないかと。HMAENが新しいステップを踏むためには、市場の現実にきちんと目を向けてみる必要があると思ったんですよ。
——具体的にこれまでと一番変わった部分はどんなところでしょう?

これまでは最初に「トートを作ろう」「ブリーフを作ろう」と考えて、そこから細かなカタチを見出していたのですが、今シーズンは「より便利で、軽くて、持ちやすいバッグ」をイメージすることを全ての商品の出発点にできた気がするんです。携行品の量も減ったことで、いま市場では、バッグのカテゴリーがどんどん薄れてきている。そこに向き合った時に、自分もこの流れに抗うのではなくて、立ち向かってみようと思えたんですよね。必要以上にカテゴリーに縛られず、いま作っているバッグがどのカテゴリーに収まっていくかは作りながら考えるのでいいや(笑)って思えたから、今シーズンはレザーブランドでは異色だったナイロンのリュックや、サイズの小さいベタマチのカバンを押し出すことができたと思っています。

ss2018
——レザーブランドというと、どちらかというとクラシカルなイメージがありますし、時代を越えて積み重ねられた革加工の技術そのものがレザーバッグのカテゴリーを成り立たせている部分もあるかと思います。カテゴリーを脱却してものづくりに挑むことに、怖さはなかったのでしょうか?

そんなに難しく考える必要はないかなと思うんですよね。HMAENはこれまでもずっとレザーブランドとして機能美を追求してきたブランドなので、そこは変わらないでいい。技術の裏付けがある上で、もっと純粋にカタチと向き合ってみたらどうなるのか。とにかく今回は、バッグのカテゴリーとか、これまでのHMAENのイメージから一度脱却して、ものすごくシンプルにものづくりをしてみたかったんです。
——そういう姿勢が表れたのか、自身も年が明けて少し顔つきや体系がスッキリした気がしますね(笑)?

ほんとに(笑)? 自分ではよくわからないけど、確かに酒は前ほど飲まなくなったんですよね。なんというか、今回はすごく自分で欲しいもの、自分好みのバッグは作れたなという感覚がある。
——結果として、これまでのHAMENとは雰囲気の異なる新しいカタチも見えてきたように思いますが。

そうでしょ。たぶんこれまでのHMAENらしさを継承した商品は、新作の中では2つくらいじゃないかと思うんですよ。前年にレディースラインに取り組んだことで、逆にメンズはもっと無骨な雰囲気でもよいと思えるようになりましたし、ここからまたHMAENに新しい方向性を見出して行きたいと思っていますね。